山形県の母なる川・最上川。舟運時代、その中流にある碁点、三ヶ瀬、隼の三地点は通過するのに困難を極めたため「最上川三難所」と呼ばれ、船頭たちに恐れられていました。
しかし、三難所も陸路の発展とともに交通路から観光名所へと変わり、今では「奥の細道」にも登場した雄大な流れを眺めながら舟下りを楽しむことができるようになりました。
三難所沿いにあることから名の付いた「最上川三難所そば街道」で、おいしいそばに出会いませんか。
最上川の流れに沿ってそば屋が多く立ち並ぶ村山市。昔から農家の多いこの地域では、大勢で田植えや稲刈りなどの農作業をした後、労をねぎらう「そば振る舞い」でおなかを満たしたといいます。以前は、どこの家でもそばを作り、みんな揃ってそばを食べていました。
そば街道はその伝統を受け継ぎ、村山に伝わるそばを多くの人に食べてもらおうと始まりました。平成6年にそば屋が軒を連ねる15kmの道のりを「最上川三難所そば街道」と名付け、おいしいそばが食べられる里・村山市として祭りやイベントを開催し、そばに親しんでもらおうと市を挙げて取り組んでいます。
日本三大急流のひとつである最上川と、葉山の雄大な自然に囲まれた村山。寒暖の差が激しい気候がそばの旨味のもとであるデンプンを多く生み出すため、そば栽培の適地といわれています。
そばは作業の途中に少し手を休めただけで味が変わってしまうほどデリケートな食べ物。それだけに、熟練した技と原料の良さがおいしさの決め手となります。村山のそば職人たちは、ひとつひとつの工程を手抜きせず、丹精込めて行う先人のそば作りの精神を受け継ぎながら、毎日のそば作りに励んでいます。また、さらなるおいしさを求め日々研究を重ねる熱意が、村山のそばを味わい深いものにしています。
村山そばのシンボルマークとなっている木製の器・長板。木の香りがそばの風味をさらに引き立てる素朴な器は、農作業後のそば振る舞いや大家族での食事のとき、大勢でそばを囲めるようにと使われ始めたとのこと。毎年10月には「伝承館まつり〜世界一の長板そばまつり三十三間堂」が開催され、約60mの長板に用意された手打ちそばを330人が一斉にすすります。1998年には、600人が長さ90.96mの長板に盛った132kgのそばを食べてギネスブックに載りました。
ぜひ、村山の伝統と活気が薫る長板そばを味わいに、足を運んでみてください。
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